OASIS -クリスマス童話- 15

 翌日になると女王は以前から思っていたことを実行にうつしはじめました。王子を呼び、内政に関るよう指示を出し、信頼の置ける臣下の下につけたのです。
 また、他にも信頼のおける臣下を呼び寄せ、今まで自分が決定権を担っていたことを任せるように采配しました。
 
 驚きつつもこれまでの女王の采配を見てきた王子や臣下達は、自分ならできると女王が認めてくれたと思い、張り切って働き始めました。するとこれまで滞りを見せていた様々な申し出が、あっという間に片付いていくのです。
 
 女王はほんの少し気持ちが安らぎました。
 
 それから暫くして、いくつかの苦情が女王の元に舞い込むようになりました。決定が早くなったのはいいが、手抜かりが多すぎるというものがほとんどでした。これならばまだ前のほうがいいと、何人かの重臣は口を揃えて言います。
 
 女王は少し考えると、城を出て踊り子のいる劇場へと足を運びました。苦情を受けてまた深く考え込んでしまったからです。もう一度自由な心を取り戻さなければ、と思い立って自ら劇場へと足を運んでいきました。
 
 劇場で見る踊り子の踊りは、城内の時よりも更に軽やかで、心がウキウキと沸き立つような思いに駆られました。
 「いかがなされたのですか女王様、このようなところへと御自ら足を運ばれて?」
 劇場支配人でもある商家が女王の来場を聞きつけ、そそくさと足を運んできました。
 
 「頭の硬い重臣どもがいましてね、彼らにもう少し考え方をやわらげていただこうと足を運んだわけです。」
 言われて劇場の入り口へと目を向けると、そこには何名かのお城の重臣たちが揃ってやってきていました。
 
 「あらかじめおっしゃっていただければ席をご用意しましたのに。」
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by MemenCrital | 2011-12-25 00:36 | 童語り:みんなのどうわ | Trackback

泣く、笑う、怒る、楽しむ。そんなことが自然にできる、そんな世の中であればいい。


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