私の人生の三つの坂 -ノボリザカ-


 上り坂を歩いていたという記憶は、なかなかうまく思い出せない。

 例えば恋をしていた頃は、毎日が楽しくて坂道を感じる余裕もなかったし、
がんばって勉強していた頃は、その苦しさと退屈さにこれまた坂道を上っていたのだか下っていたのだか…。

 はじめての舞台登板で、キックアンドターンがうまくできなくて、その練習に一晩中けいこ場で回り狂ったこともある。あのときは、町田の角にあるガラス張りのけいこ場で、夜中に電気つけていると外からは丸見え。けれど、内側にいるとちょうどガラスが外の暗闇でガラスみたいになって、それを見ながら回ったっけ。

 時間の経過とともに、喜びや悲しみといった感情の記憶は薄れていくね。けれど、汗をかいたことや、それを見て先輩がいろいろ教えてくれたことなんかは、今でもすっかり思い出せるものだね。

 舞台は成功したんだろうか?次回作にも出演した覚えがあるから、うまくいったんだろうな。

 それよりもあの真っ暗闇の舞台の上で、息遣いが聞こえるくらい間近にいたお客さんの、笑っている顔、驚いた顔、そんなことの方がよく思い出される。台詞を交わした共演の人たちの、言葉にのせたいろいろな感情、伝えたがっていること、求めているリアクション…そうしたコミュニケーションも。

 あの頃が、上り坂だったのかもしれないね。最初の…。
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エキサイト20周年企画~あなたの人生の3つの坂





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The SKY - Timelapse.






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by MemenCrital | 2017-12-30 10:03 | 動画:路の上の空

泣く、笑う、怒る、楽しむ。そんなことが自然にできる、そんな世の中であればいい。


by Memen -Asurawill H/B